「余剰幻肢」。自分の腕や足の数が増えてしまったと感じる症状のこと。脳梗塞後の後遺症などで見られる。
実は、人間の「体のイメージ」は脳 が作っている。例えば自分の身体の片側半分が無いと感じたり(半側身体失認)、切断されてすでにない腕がまだ存在していていつまでも痛いと感じてしまう (幻肢痛)などの症状は脳が原因で起こる。
手足の数が増えてしまうという症状があり、それが脳の異常で起こるというこ とはあまり知られていない。書物には前頭葉の脳梗塞で3本目の腕が体から生えていると感じられるようになった女性の話が載っている。もちろん、その3本目の腕は見えない。ところが目を向けていなければ、1分ほど前に自分の左腕のあった位置に、3本目の腕があるように感じられる。たとえば、本当の左腕を椅子の肘掛けの上に置いていて、次いでこの左腕を机の上に移動しても、3本目の腕がまだ肘掛けの上に置いてあるように感じられる。実際にそちらに目を向けると、この3本目の腕の感覚は消失する。下肢も3本になってしまうことがある。