“むしろ過去の人間は本当に神を信じ、その信仰の中で動いていたのである。そのことをはっきり認識し、キリスト教の知識を身に付けなければ、本当の西洋史はわからない、わかるはずもない。
ところが、日本の歴史学者は(西洋史も含めて)、どうやらそう思ってはいないらしい。
高校の世界史の教科書をいくら読んでも、「カトリックとプロテスタントの根本的な違い」とか、「皇帝と王の違い」「フランスはブルボン王朝は〝王〟なのに、どうしてナポレオンは〝皇帝〟なのか」「ヒトラーはどうしてドイツを〝第三帝国〟と呼んだのか」などという基本的なことがわからない。
こんなことがわからない「世界史の教科書」などというものは、正直言って噴飯物なのだが、どうしてそうなるかと言えば執筆者が宗教(特にキリスト教)の知識にうといからである。”