"もし自分が人から承認されたり受け入れられたりしたければ、まずは人のことを評価し承認することが必要です。社会のなかで自分のことを一方的に受け入れてくれたり認めてくれたりするのは親ぐらいです。市場も含めて人間社会の多くの部分は、交換や互酬性によってなりたっていますが、それは承認などの感情のレベルでも当てはまります。
人は自分を評価してくれた人のことを悪くは思わないものですよね。人のいいところを積極的に評価すれば、ねたみやひがみなどのネガティヴな情念に振り回されにくくもなります。
それに、人を褒めたり認めたりすることは、それだけで気持ちに余裕をもたせてくれるものです。それによって、承認や評価を「与える」側に回ることができるわけですから。「与える」という行為は、それだけで人を有利な立場に立たせてくれる。お金や地位を与えることは金持ちや権力者にしかできませんが、承認や評価を与えることは誰にでもできます。人を褒めることができない人は、自分を成長させることもなかなかできないのではないでしょうか。"