丸腰主義の勇気が本質 / 日本軍が、日本国民を抑圧する

"前文で宣言された決意は、安倍能成が全面講和の闘争時に正しく説いたように、そして「新しい憲法のはなし」でも説かれているように、丸腰主義の勇気が本質なのであり、諸国民の公正と信義に信頼して、素手の外交一本で平和と安全を実現し維持するという国家方針となっている。侵略の脅威や予兆は外交と対話で未然に防ぐことができ、諸国との絶えざる協調と細心の注意による外交努力でそれを阻止できるはずだという信念が前提されている。自衛権を認め、交戦権を認めれば、それを根拠にし、自衛を名目にした戦争を起こしてしまうから、そちらのリスクの方が大きいのだという判断と確信がある。この理想論の態度は、国際政治の冷酷なリアリズムの中ではあまりにナイーブでリスキーだとずっと批判され、平和憲法の丸腰主義は嘲笑と誹謗を受け続けてきたけれど、あの戦争を経験した日本人が掴んだ哲理として揺るぐことなく、ジョン・ダワーの言い方によれば、戦後日本人は理想を地上に引き下ろして現実のものにした。70年間、憲法前文と9条を変えずに守り抜いた。非武装が平和憲法の核心であり、戦後日本人の理想であった"
"丸腰でなければならないのは、丸腰でなければ、日本軍が、日本国民を抑圧し、人権を剥奪し、挙げ句の果ては殺害するからである。"