仕事の能力以上に“人間”が見られる

組織にいると、仕事の能力以上に“人間”が見られるんですよね。頼まれる相手とは日常的に近い距離で仕事をしているわけだから、やっぱり「人対人」なんです。だから人気がある人に仕事が集中するし、人気のない人には仕事が来ないんですよね。僕がいた電通は、クリエイティブ局だけで800人いるような巨大組織でした。そこには、何かよく分からない川の流れがあるんですよ。そして、なぜかその流れに乗れる人と乗れない人がいる。僕は流れに乗れずに、よどみの中にぷかぷか浮いている状態だったんです。
僕の場合は、独立してからのほうが仕事が来るようになりました。独立すると、一緒に仕事をする相手はそれぞれ職能を持って集まる人たちなので、ぼくの人間性よりも仕事の内容を見てくれるんですね。日常的に会うわけでもないですし。そのドライさが僕は好きです。だから、僕のような「人気はないけどそれなりに能力がある人」は、独立したらいいと思います。