大人の発達障害と仕事

"やるべきことを先延ばしにする。約束が守れない。時間に遅れる。人の話が聞けない。相手の気持ちを考えずに一方的に話す。物事の優先順位がわからない。後先考えずに行動する。場の空気が読めない。キレやすい。落ち着きがない。片づけられない…。もしそうだとしたら、その原因は“大人の発達障害”にあるのではないか。

小・中・高校までは、勉強のできる人が多い。人間関係も大学までは、マイペースでも問題にならない。ところが一旦、社会に出ると、同僚や上司、クライアントとの人間関係が不器用で、時間や金銭、私物管理、感情コントロールなどもできなくなる
こうして仕事がうまくいなくなると、職場で孤立して、出社できなくなり、新たな大人の「引きこもり」の増加にもつながる
治りにくいうつ病や、アルコール、ギャンブル、買い物などの依存症の人は、発達障害の疑いがある
特徴的なのは、大人になってから、「仕事中毒になりやすい」こと
子どもの頃から、自己不全感を持っています。セルフイメージが悪くて、劣等感を持っているんですね。自分があまり好きになれないから、仕事をしているときに充実しているんです。また、アルコール依存症になる人の約7割は、仕事中毒なんですよ。昼間、しっかり仕事をして、夜になると、飲み屋で飲んでいるんです
自己不全感で悩んでいても、多くの男性は「仕事」で頑張れば、認めてもらえる。しかし、一般的に女性の場合、仕事だけでなく、炊事、洗濯、掃除、育児、介護、近所づきあい、金銭管理など、何もかもやらなければならない。だから、うつ病は女性のほうが多いという。
 中学、高校、大学生の頃までは、成績が良くて、頭が普通程度以上。勉強が良くできるし、問題行動もない。周囲は、発達障害と思い浮かばない。職場に出たり、結婚したりした時に初めて、諸々のトラブルに悩まされる方が多い
発達障害のある人が進学や就職を考えるとき、「1人暮らしは避けたほうがいい」
ADHDやアスペルガー症候群の人たちが不向きな職業は、営業関係や接客業、人事・経理・総務関係、交通・運輸関係、飲食関係、旅行関係、金融関係、予約係や顧客窓口など。高度な協調性や対人スキル、臨機応変な対応、複数の異なる要求を同時にこなさなければいけないような仕事である

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