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検察と官邸との対立は案外ねじれるのかもしれない
森法務大臣が「例によって」不用意な発言をして、
黒川氏処遇について、懲戒ではなく訓告にとどめるとまず官邸で決定して、それを検事総長に伝え、検事総長が同意したと国会で答弁した。
そのあと同日、安倍総理は、検察からの決定として訓告と総理に伝えられた、総理はそれを肯定したという意味のことを語った。
今日になって、森法相と安倍総理の発言が矛盾すると野党に攻撃され、
森法相はあっさりと答弁を撤回。
検察側の決定を官邸が報告を受け肯定したのだと答えた。
しかしもう遅かった。
一方の、稲田検事総長はTBSのインタビューに応じ、官邸から決定を伝えられたので、そうかと思ったと語っている。
安倍総理としては、イライラする話である。
森法相はいらぬことを語り、火に油を注ぎ、稲田検事総長ははっきりと、黒田訓告処分は検察の決定ではないと発言したのだから、忖度がたりない、どうしてなんだ、と思っているだろう。
何しろ、財務省全部を籠絡し、大胆な嘘を突き通し、文書の大規模な改ざんをし、自殺者まで出した、それほどの権力を誇ったのがつい先日である。
財務省に代わって経産省の時代になった。
思えば、甘利事件、詩織さんに関する山口事件、モリトモ、カケ、いろいろあって最近では河合夫妻事件、桜事件、まあ、こんなことして平気かねえと世間では思っていたが、それはそれで、権力とはそういうものか、あるいは、こういう権力のある方もあるものかと絶望していた。
ところが最近では、桜事件で法律専門家が600以上の連名で訴訟を開始。
河合夫妻事件でも法律家の一部が反安倍で動き、国民の賛意を獲得しつつあるように見える。
新型コロナ騒ぎで人々の心に変化があったのだろうかとも思うがどうだろう。
今回は一時的にそのように見えるだけで、権力基盤は揺らがず、もた盛り返すのだろうか。
マスコミで言われているのは、安倍一強体制が変化したのは、安倍総理が菅官房長官を冷遇したことと関係しているのではないか、次期総理として、岸田を指名するのは、菅官房長官と二階幹事長としては許せない、などの話。
岸田氏の困窮者に30万円が覆されて、二階氏の全員に10万円になった。
何がどう変化して、こういう潮の流れになっているものか不明であるが、当面は安倍総理に不利な流れ、支持率も低下である。
流れが一気に明らかになったのが、検察庁法改正案に対する元検事総長らの反対意見書だったようにも思う。
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