“カラスといえば、昔父親が怪我したカラスを助けて山に返した事があったんだが
毎朝決まった時間に庭にやってきてカーカー小さくだがしつこく鳴く。
父が窓から顔出すと鳴き止むので、どうやら父を起こしにくるみたいだった。
カラスは父が出勤するまで近くの電柱に居て、勤め先までチャリで移動する父について飛んでいく。
帰りは会社まで迎えに来て、家まで見送り。
鳴きかたで天気も教えてくれると父は言っていた。
カラスって賢くて義理堅いなあとおもった。
何年かしてカラスがパッタリ来なくなった時、父が寂しそうに
「しんだんんだなあ……」と涙ぐんでいたのが子供心にかなり衝撃だった。”