2020年3月18日、ニュースは東京都知事の談話を伝えている。
東京オリンピックの中止や延期を決定する可能性はありますかとの質問に対して、
マラソン会場を東京から札幌に変えたのはIOCだ、それを見ても決定権はIOCにあることがわかるだろう、東京としては中止も延期も考えていないとの意味のことを答えたようだ。
一方のIOCは長老格の人が延期したほうがいいかもと観測気球を打ち上げたあとは、予定通りやると東京が言っているのだからやるに決まっているとかの意味のことを言っている。
2020年東京オリンピック誘致にあたっては裏金が動いたとの報道があり、フランス警察で捜査もあり、当時のJOC会長であった竹田氏が会長を辞任している。そのあとで、ゴーン逮捕劇が進行した。
オリンピック関係のお金に関する契約書を調査してみればよいが、表に出ているだけでも、各種スポンサーとか放映権料とかその他あるはずだ。裏の契約書もあるはずで、そこに何が書かれているか。
中止、延期、ボイコット、ドーピングに関する項目等があるはずだ。何の原因で投資を回収できなかった場合、誰の責任になるのか、その金額はどうなるのか、明記してあるはずだ。大雑把に言うと、それが東京なのかIOCなのか。
2020年の場合、まずテロリストの危険が書いてあるだろう。どんな場合、どういう責任が、誰に生じるのか、書いてあるはずだ。警備の内容、事前情報収集の範囲など。
また、日本の場合は、首都直下型地震が強く警告されている。それに伴う津波、原発事故などの場合どう責任を取るのか。また、福島原発の事故の後始末がうまく行かず、IAEAの環境審査基準をクリアできなかった場合も書いてあるだろう。
今回の新型コロナについては、過去にSARS、MARS、新型インフルエンザ、エボラ、その他について経験があるのだから、やはり契約があるのではないだろうか。
というように考えてみると、東京とIOCのチキンレースで、「もうやめよう」といったほうがお金を払うのではないだろうか。そうなると、世界の世論は東京とIOCとどちらを責めるかが問題になる。良心の痛みに耐えきれずにやめようと言ったほうがお金を払う。
IOCとしては、「東京も大人なんだから、警備とか医療状況とか、責任を持って考えるだろう。危険があったら提言してくれ、遠慮はいらない」などという態度だろう。東京としては、IOCが中止を決定するのを待っているはずだ。今まで会場問題などいろいろと文句をつけたじゃないかと根に持っている。
今回、ギリシャでの聖火引き継ぎ式に東京からの首脳陣が行かなかったのは東京にとっては失点、IOCにとっては加点だろう。引き継ぎ式は行った(IOCに責任はない)。東京は行かなかった(東京に責任がある)。東京としては、聖火引き継ぎ式の取りやめを画策したのだろうが失敗したようだ。
チキンレースが長引いて分が悪いのはどうも東京都ではないだろうか。IOCとしては東京は新型コロナの発生率も低いようだし死亡者も少ない、うまく管理しているのだろう、とか持ち上げていればよい。そうなると新型コロナの発生率、死亡率を加減したことのつけを東京が支払うことになる。
東京は発生率が低いから開催準備ができていると、東京はあくまで主張する。それなのに、IOCが怖がって中止にしたとなれば東京としては都合がいいわけだ。スポーツ界で影響力のある人たちがIOCに意見して、その意見をIOCが無視できなくなる状況が東京には望ましい。
このあたりの駆け引きでバッハ会長が負けるはずはないし、いざとなれば、東京の首を絞める取引材料をたくさん知っているだろう。だから多分、違約金とか損害賠償とか東京が支払う。でも、それは個人が出すわけではないから、森会長さんも武藤事務局長さんも何も心配はない。いつものように国債を印刷すればいいだけだ。ただ、裏取引のお金は国債で済ますわけには行かないから難しいわけだ。
東京オリンピックが中止になったら竹田元会長が辞任したあの事件のお金も返してほしいですね。