"精神病の分類という話題はいつも問題をはらんでいる
肺結核と肺がんを区別するのは当然だしそれが学問というものだ
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しかしたとえば蝶と蛾を区別するという問題を考えてみる
人間の知性とは関係なく蝶も蛾も存在したわけだから
区別は簡単ではない
飛行をやめてどこかに止まった時に、羽を開いていたらどちらかで
羽を閉じていたらどちらかでという話も、
概ねは当たっているのだけれども、
厳密な話ではないらしい
スイカやメロン、イチゴなどを果物とするか野菜とするかなどの問題も似たような話
野菜とは「新鮮な状態で、主に副食として利用される草本性食用植物の総称」とされています。草本(そうほん)というのは、「やわらかい茎の植物」という意味です。
果物の定義はどうかというと「“木になる”食用植物」のことで、木本(もくほん)性です。
スイカやメロン、イチゴは木になってはいないので、この定義では果物ではありません。しかし、スーパーや高級果物屋などで、これらの“野菜”は「果物」として並んでいます。日本食品標準成分表の分類でも、スイカは果物にカテゴライズされています。
果物と野菜という概念は人間が勝手に作ったものだからいろいろ不都合も起こる。
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すると、分類するということと定義するということとが
ほぼ同時のこととなり
ややこしいことになる
現在では、肺結核ならば結核菌を証明すればいいわけだし、
肺がんならばがん細胞を証明すればいい
しかし精神病ではそれができない
精神病の分類で、たとえば統合失調症と双極性障害、単極性うつ病、各種性格障害などを
区別するのは容易ではないし、区別するための学問的資料を集めようということで
暫定的な基準をDSMとして決めているのであるが
極めて政治的な産物で、学者から言わせれば、納得しがたい
ここでも、分類することと定義するということが混同されつつ同時進行になっている
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