ASD は他の精神疾患をもつ者よりアルコールおよび薬物の使用が少ないとされる.アルコールや薬物は友人同士の集まりで初めて使用することが多いが,ASD をもつ者は対人交流の不得手さゆえにそのような場面に参加することが少ないことが,その理由として挙げられている.しかし,テレビ視聴,ゲームなど電子機器の過剰使用については,ASD がリスクファクターであるという報告がこれまでに複数なされている.これらの報告では,ASD をもつ者にしばしばみられる視覚優位な認知特性や同一パターンの繰り返しを好むことなどが,電子機器の過剰使用を引き起こしやすいのではないか,と推測されている.