インチュニブ

インチュニブ
塩野義
ADHDの薬
グアンファシンとして1日2mgより服用を開始し、1週間以上の間隔をあけて1mgずつ、維持用量として6mgまで増量する。
注意欠陥・多動性障害に有効です。脳内神経伝達物質の働きを調節し、神経伝達をよくすることで関連症状を改善します。
注意欠陥・多動性障害では、脳の前頭前皮質のノルアドレナリン作動性神経伝達に何らかの調節異常があるのではと考えられています。この薬は、ノルアドレナリンの神経受容体であるα2A受容体を選択的に刺激することにより神経伝達を増強させることが非臨床研究で認められています。このような作用機序から「選択的α2Aアドレナリン受容体作動薬」と呼ばれています。
メチルフェニデート(コンサータ)、アトモキセチン(ストラテラ)に続く、国内3番目の「注意欠陥・多動性障害治療薬」です。グアンファシンを有効成分とする徐放性製剤で、薬理作用から「選択的α2Aアドレナリン受容体作動薬」に分類されます。なお、同一成分の即放性製剤は、かつて高血圧症治療薬(中枢性交感神経抑制薬)‘エスタリック錠’として販売されていました。
メチルフェニデートが中枢神経刺激薬であるのに対し、この薬は作用が異なる非中枢神経刺激薬になります。また、選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬のアトモキセチンとも作用機序が違います。新作用をもつこの薬の登場により、治療の選択肢が広がりそうです。
効力は速効性のメチルフェニデートに及びませんが、アトモキセチンと同程度の有効性が示されています。効果発現はアトモキセチンよりやや早く、服薬開始後1~2週で効いてきます。
もともと高血圧の薬なので、低血圧や徐脈の発現に注意が必要です。メチルフェニデートのような依存の心配はありません。