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社会が豊かになると出生率が低下する事情
「豊かになる」ということの意味は多様であり
そこのところを細かく考える必要がある
昔からの貴族が少子傾向かといえばそうでもないだろう
お金持ちだからというのではなくて、寿命が長くなっていることが効いているのではないだろうか
20歳か30歳でもう人生終わりのことが多いということになれば
その世代で考えそうなことは子孫を残すことだろう
80歳まで生きるのが普通となれば、子孫にお金とエネルギーをかけるよりは
自分の人生を好き勝手に行きたいと思うかもしれない
長生きすると決まっていれば、面倒なことは後回しだ
短命ならば、その時一番やりたいことをやる
もっと細かく言えば、
・自分の命を守ること
・今の集団を守ること
・将来に渡り集団を守ること
の3つくらいに分けて考えたらどうだろう
寿命が短いほうが下側の目標を目指す
寿命が長いほうが上側の目標を目指す
生物の中に、栄養状態が悪くなると、単細胞個体で生きるのをやめて、多細胞生物となり、そのなかの一細胞になる、たとえば心臓細胞の一部になるなどの例がある
一般に、環境が悪いほど、集団を守るために個体を犠牲にする。それが貧しい社会。
環境が良ければ、個人の命を優先する。それが豊かな社会。
貧しい社会がもっと貧しくなると、集団に価値を見いだせなくなり、自分の子孫にしか価値を感じなくなる。
だから、最も貧しい場合、子供を守ろうとする。子供や孫がいれば、逆転があるからだ。
やや貧しい場合は、助け合いの社会を作る。福祉型国家。
豊かな場合は、子孫よりも集団よりも、自分が大事になる。
という考察から得られるのは、国民は貧しくなって、未来に希望が持てなくなり、平均寿命が短くなれば、
出生率が上がるのではないかという、無責任な予想なのである
20歳か30歳までにできることは子供を作ることくらいしかないだろう
横軸に寿命の長さをとり、
縦軸に、価値の拡大を数値化して取る、
価値の拡大とは、個人→現在の集団→現在と未来の集団と、自分が価値を置くものの拡大である
そうすれば、縦軸と横軸は相関が強いのではないか
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