外因性ボーダーライン状況

外因性ボーダーライン状況は、災害の全体(現実)を
ようやく理解しはじめる「幻滅」や「抑うつ」段階の前後に、
主に被災者とその援助者的立場の者との間に
展開される関係状況である。

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災害は基本的にall badな出来事であり、その救済は
all goodを期待される。

トラウマ状況での被災者は「全能(all good)の救助者」
との関係性の中でのみ一時的に安全感を回復できる。
そのため、救助者の現実的な限界が許容されにくい。
当然であるが救助者がall goodにはなれない。

そして全能になり得ない救助者に対して
しばしば期待は反転し、「無能な救助者」つまり
all badな対象として被災者に認知されることがある。

あるいは一部の救助者はall goodと認知され、
一部の救助者はall badとして認知される。
結果として救助者の間で分裂(splitting)の危機が生じることもある。

このように
トラウマ状況下では
ボーダーラインケース治療の中で治療者が経験する事態が発生することがあり
それを外因性ボーダーライン状況と呼ぶ。

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トラウマ状況下にマスコミ報道が加わるとしばしば退行状況が発生し
ボーダーライン状況が発生する。