“―昔前は、「官僚は超トップエリート」というイメージでしたが、現在では「官僚の質が落ちてきている」という言説も耳にします。上や下の世代を見ていて、宇佐美さんにそうした実感はありましたか。
宇佐美:全体を議論できるほど世の中が見えているわけではないので、事例を上げます。私より5歳ほど上の先輩で、「このポストに行けば確実に出世する」というような花形ポジションにいた人が外資系金融機関に引きぬかれました。出世確定のポジションにいる人が、「日本の未来に希望が見えない」といって辞めてしまう、これは結構衝撃的なことです。
私の同期にもいましたが、突然燃え尽きて辞めていく優秀な若手が増えており、それは組織として危機感を覚えるレベルです。一昔前なら辞めていくのはあくまで亜流派の人だったんですが。”