ヒトパピローマウイルスが引き起こす子宮頸がんとそのワクチン


ヒトパピローマウイルスが引き起こす子宮頸がんとそのワクチンについての疑問。
・ヒトパピローマウイルスが引き起こす子宮頸がんは、気道のウィルス感染や消化管のウィルス感染が数日以内に発症するのと異なり、数年または十数年での発症である。つまり、子宮頸部にヒトパピローマウイルスが住み着いて、徐々に子宮頸部細胞の遺伝子を変化させるのだろうと考えられる。
・しかし、そうだとすれば、そんなに長期の間に免疫が働かないのはなぜだろう。
・本物のウイルスで免疫が働かないのに、ワクチンで免疫ができるのはなぜだろう。
・インフルエンザワクチンは型の予測が例年のように外れているのだが、それはインフルエンザウィルスの変異が急速であるからと言われている。ヒトパピローマウイルスは変異はどうなのだろう。小学生の時にワクチンを実施したとして、その後、ヒトパピローマウイルスが変異していれば、インフルエンザと同様、効かないように思う。
下記がWikiからの引用であり、全部そのまま信用するのではないが
『HPVは接触感染で皮膚や粘膜の微小な傷から侵入し、扁平上皮基底部の細胞に感染する。感染HPV は血中に侵入しないのでウイルス血症を起こさない。また感染した細胞を破壊せずウイルス粒子を大量に放出させることもない。このため抗原提示細胞の活性化や抗原認識の過程が回避され、免疫が誘導されにくい。』
とのことだ。
・ヒトパピローマウイルスは「ひっそり生息しているので、免疫系が働きにくい」という。とはいうものの、感染した細胞自体の遺伝子に影響を与えるからがんになるのであって、そのようなふるまいをしているときに、免疫系は働かないのだろうか?
・ヒトパピローマウイルスが存在していても「ひっそり」存在しているので免疫が発動しない。それなのにワクチンが免疫発動を促すのは、筋肉注射するからであるらしい。
・ヒトパピローマウイルスは「うまい場所にひっそりと存在する」から、免疫系から免れているというのだけれども、にわかには信じがたい。
・子宮という場所は特殊で、精子や胎児など、免疫的に「部外者」「攻撃対象物」が入り込み、しかも、全滅させてはいけない場所なので、免疫系を抑制するシステムもあるとすれば、ヒトパピローマウイルスが「ひっそりと活動を続ける」余地はあるかもしれない。
・その場合、ヒトパピローマウイルスの同じ型のものが、子宮頸部以外の場所で感染があれば、免疫ができやすいはず。たとえば咽頭部。その場合は、子宮頸がんの発生率は低下するのだろうか。
・遺伝子変異について、ウイルスは変異して、免疫系をかいくぐることが多い。たとえ、一つの型のワクチンが有効だったとしても、十数年の間には別のタイプのヒトパピローマウイルスが感染する可能性はある。子宮頸がんについては、HPV16、18型、HPV31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68、73、82型などとあるが、HPV16だけでも対処しておけば、だいぶいいという話なのだろうか。少し疑問。
Wikiからの引用
ヒトパピローマウイルス(Human papillomavirus:HPV)は、パピローマウイルス科に属するウイルスの一つ。ヒト乳頭腫ウイルス(ヒトにゅうとうしゅウイルス)とも言われる。パピローマまたは乳頭腫と呼ばれる疣を形成することから名付けられた。百数十種類以上の型があり、型によって、手足・顔などにできるイボ、陰部にできる性感染症の尖圭コンジローマ、また子宮頚癌に関りがあるとされている。
通常は様々な免疫が応答し体内から排除される[1]。発がん性のリスクが高いといわれるHPV16型や18型でも、出生時に感染がみられ[2][3]、日本の5歳でも、口腔から16型が1/3の子供から検出されている[4]。
全世界的に古くから存在していた[要出典]。2016年現在180以上のHPVの遺伝子型に分類されており[5]、生殖器粘膜に感染する40以上の型が知られており、そのうち子宮頸癌の発症に関わる高リスク型HPVとして少なくとも15の型が知られていて、なかでもHPV16は全世界の子宮頸癌の約50%から検出されている[6]。正20面体のカプシドで覆われており、遺伝子サイズは種類により異なるがだいたい約8,000塩基ほどで、8から9のオープンリーディングフレーム(ORF:蛋白をコードしていると推定される遺伝子。しかしその遺伝子産物は同定されていない)を含んでいる。欧米の子宮頸癌でよく発見される16型HPVの場合、初期遺伝子 (E1,E2,E4,E5,E6,E7) と後期遺伝子(L1とL2)というORFを持っている。その中で特にE6とE7が発癌に関与していると考えられている。
高リスク群
子宮頸癌や外陰癌の発症要因の一つと考えられている
HPV16、18型
HPV31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68、73、82型など
HPVは接触感染で皮膚や粘膜の微小な傷から侵入し、扁平上皮基底部の細胞に感染する。感染HPV は血中に侵入しないのでウイルス血症を起こさない。また感染した細胞を破壊せずウイルス粒子を大量に放出させることもない。このため抗原提示細胞の活性化や抗原認識の過程が回避され、免疫が誘導されにくい[7]。
HPV 感染の70%が1年以内に消失し、約90%が2年以内に消失する。しかし上記のメカニズムによって、一生涯有効な免疫記憶が形成されないため、自然感染後の抗体産生が十分でなく、同じHPV型への感染が何度も起こると考えられている[8]。通常は様々な免疫が応答し体内から排除される[1]。
生殖器へのHPVの感染は、母が感染した乳児の約73%が感染していた[2]。出生時に、HPVの6型、11型、16型、18型はそれぞれ6.4%の乳児が感染しており、生殖器よりも口腔での感染率が2倍であり、感染していた乳児6か月時点で16型は約83%、18型は約20%から検出された[3]。
子宮頚癌:子宮頸癌の90%以上、前癌病変である異形成の95%以上から、正常婦人の外陰からも5-10%、高リスク型HPVが検出される[5]。
HPVワクチンは2価ワクチン、4価ワクチンがあり、後に9価ワクチンが加わり2価は市場から撤退した。いずれも組換えDNA技術を用いているため、ワクチン自体には感染性はない[6]。
米国のメルク社より尖圭コンジローマと子宮頸癌の原因ウイルスであるHPV6 、11、16、18型のワクチン「商品名ガーダシル」(GARDASIL) が開発され、2006年6月にアメリカ食品医薬品局(FDA)に承認された。世界保健機関(WHOから品質や安全性の基準など満たすワクチンとして認定されている。米国でのHPV未感染女性を対象にした、ガーダシルを用いた4つの大規模臨床試験の結果を総合すると、前癌状態であるCIN2、CIN3、AISに対し、99%の発症予防効果があった[11][12]。
次いで米国のグラクソ・スミスクライン社よりHPV16、18型のワクチン「商品名サーバリックス」(Cervix) が開発され、2007年5月に10-45歳の女性用としてオーストラリアの医薬品審査当局で承認された。なお、有効性の承認はないが31型、45型などの他の腫瘍性HPV型に対しても予防効果も示唆されている。日本ではサーバリックスが2009年10月に承認され、ガーダシルが2011年である。
アメリカでは、9価HPVワクチンのガーダシル9の登場によって、2016年に2価のサーバリックスは市場から撤退した[13]。
欧米ではHPV 16型と18型の割合が多い(約70 – 80%)のに対し、日本では割合がやや低い(約60 – 70%)ので欧米より有効性が低い可能性がある。
HPVワクチンはあくまでも予防ワクチンであり、治療ワクチンではない[14]。しかし、抗体陽性であるがウイルスDNA陰性(過去の感染が排除された証拠)の女性においては、ブースター効果によって抗体価が増幅され、その結果、同じ型のHPVのその後の感染は防がれる[15]。CIN治療ワクチンは2012年時点で治験中である[16]。
26歳以上の女性に安全・有効であるかの検証は現在進行しているところであるが、臨床試験の中間報告ではHPV抗体価の10倍以上の上昇と、従来の接種対象年齢と変わらぬ安全性が示されている[15]。ただし、これらのワクチンは子宮頸癌等の定期健診を不要にするものではない。ガーダシルなら6、11、16、18型、サーバリックスなら16、18型以外が原因になる癌(子宮頸癌では20 – 30%の原因となる)には効果が認定されていない。ワクチン接種時点で既に感染しているウイルスにも無効である。WHOなど世界の多くの機関・団体で、ワクチン接種に加えて接種後の定期健診が重要だとしている。
日本では、2013年4月よりHPVワクチンは定期接種となった。若年男子に対する尖圭コンジローマの予防も期待される4価HPVワクチン(ガーダシル)が、日本では若年女子に公費による定期接種に指定されたが、疼痛症候群などの問題により、2価HPVワクチン(サーバリックス)と同じく推奨が控えられるようになった[5]。2013年6月14日には厚生労働省は、積極的な摂取推奨を控えるよう勧告し、その原因にワクチン接種後に持続的な疼痛等の有害事象が見られ、ワクチンによる副反応の可能性があるとして、定期接種の中止は行わないものの、そのように自治体に向けて勧告した[17]。
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