スマホ依存症、あるいはスマホ中毒状態

スマホ依存症、あるいはスマホ中毒状態(Smart Phone Scratching Syndrome)の症状を並べてみると、下記のような内容になる

1. あっという間に一日が終わり、思い出せば、一日中スマホを手にして、画面を見ていた
2. いつでも気が付けばスマホに手を伸ばす
3. 仕事時間でも、会議中でも、スマホを10分に1度くらいは覗く
4. 1時間以上の通勤時間をほとんどスマホを見ることで済ます。苦にならない。
5. スマホの充電のポイントを考えて、一日の行動予定を考えている
6. 一日にスマホを3回以上充電する
7. スマホ用追加の携帯電源を2セット持っている
8. スマホのメールかチャット以外ではプライベートでは他人と話をしたくない。
9. 食事は最短で食べられるものでよい。その間もスマホを見ている
10. 電池がなくなったら、すごく不安に感じる

その人たちの生活は、下記のようなものである。
起床と同時にスマホをにらむ。SNSからの新しい連絡、ブログの新着が十数本。無視しようかと思っても、通勤時間に取っておく。
 駅までの歩く距離も、駅の待ち時間もスマホ毒状態では、感覚がマヒして、通勤時間は苦にならなくなった。疲れは取れないが、足も止まらない。立ちっぱなしの車内でも、右手で吊り輪、左手でスマホを持ち、ほとんど無意識にガラスの表面を掻いている。そこに面白いニュースがなければ、何かを求めて掻き続ける。
 どこかに自分の好きな、関心のあるニュースがあるはずと希望をつなぎ、掻き続ける。そして、世界のどこかで、起こった火事で、何人死亡、日本人は含まれないというニュースを丹念に読む。
 すでにスマホは、自分の商品上の好みを知っているから、「あんなのどうだ」「いよいよこんなのが出ました」などと、宣伝ニュースメールを送ってくる。
 それらを丹念に読んでいると、それだけで1時間半の通勤時間が、あっという間に過ぎてしまう。会社に着くと、スマホの充電は欠かせない。
 昼食時間も、食事を済ませれば、スマホをひっ掻く。ほかのことは一切何もしない。フェースブックからの呼び出し、Mixi、Twitterなどを全部見続けるだけでも、どえらい時間がかかる。まして、ニュースを自分のTwitterで紹介していくと、すぐに午後の仕事だ。
 夕方までの充電は欠かせない。仕事の間も、自分の赤ちゃんの様子をみるように、スマホを覗くことは止まらない。更にマナーモードを保ち、フル充電、追加のバッテリーも充電完了を確かめて、会社を定時に出る。帰宅まで1時間半は、溜めてあったブログを読むことで過ぎる。コンビニで弁当かラーメンを買って、アパートに戻り、ひっきりなしにスマホの表面を掻き続ける。食べたのは即席ラーメンと缶ビールだけ。もちろんスマホでのチャットも、メールのやりとりもあって、新しいブログも覗く。ニュースは読む。テレビも見たい。こうして、気が付くと11時45分。慌ててシャワーを浴びる。寝る前に、枕元の今日4度目の充電台にスマホを置いた時、一瞬スマホが解放してくれる瞬間があり、その時に、怒濤のような仕事や生活のペンディングが頭に浮かぶ。考えも及ばない多彩なペンディングに圧倒されながら、眠りに墜ちて次の朝がシームレスでつながってくる。
 これが怖くないか。このSPSSはいつまで続くのだろうか?