君かへす朝の敷石さくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ   北原白秋

君かへす朝の敷石さくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ   北原白秋
見送るため外に出ると、朝の舗道には一面に雪が降り敷いていた。まだ誰も通っていない敷石に、あなたの足跡だけがくっきりと黒く残ってゆく。あなたを包むように降る雪よ、降るなら、林檎の香りのように降っておくれ