人は対面でコミュニケーションを取るとき、「言語」「準言語」「非言語」の3つのチャンネルで同時にメッセージを伝えます。言語はその言葉の意味そのもの、準言語は話し方や抑揚、非言語は表情や身振り手振りなどのことです。
例えば「うれしい」と言うとき、明るい声で語尾が少し上がる感じで、笑顔で言うのであれば、言語、準言語、非言語の3チャンネルのメッセージが一致するため、「この人はうれしい気持ちになっているんだな」ということが、相手に誤解なく正確に伝わります。また「腹が立つ」と言うとき、低めの声で、強い語気で、眉をひそめながら言えば、3チャンネルのメッセージが一致するので正確に伝わります。
ところが、低い声で強い語気で、眉をひそめながら「うれしい」と言った場合、「うれしい」という感情は正確に伝わりません。言語、準言語、非言語のどのメッセージが正しいのか、受け手に迷いが生じるからです。そしてどちらかというと、意識的なコントロールが容易な「言語」より、コントロールが難しい「準言語」や「非言語」から、話し手の本音を読み取りがちです。
このようにメッセージを伝える際に「言語」だけにとらわれていると、思わぬ誤解が生じたり、相手に違和感を抱かせることになります。ですから、言語、準言語、非言語という3つのチャンネルで、正確にメッセージを伝えるように意識することが必要です。