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60年前の日ソ共同宣言では
日ソ両国は引き続き平和条約締結交渉を行い、条約締結後にソ連は日本へ歯舞群島と色丹島を引き渡し(譲渡)する。
と書かれているらしい
それならば、日ロ平和条約をまず結び、そのあとで領土問題を考えるというのもありかなと思ったが
誰も言わないので、そうはできない理由があるのだろう
平和条約と領土問題は一括で解決する前提で
1956年以来、日本は4つ返せといい、ソ連・ロシアはそうは行かないといい、
交渉努力が続けられた
それをいまになって日本側が歯舞色丹でいいから、領土を決めて、平和条約を結ぼうというのだから
どういう事情が背後にあるのだろうと考えてしまう
戦争が正式に終結するまでにソ連軍は満州国(中国東北部)や朝鮮半島北部(北朝鮮)、南樺太(サハリン南部)や千島列島全域、北方領土を占領した。
その名残としての北方領土である
満州国や朝鮮半島などは旧日本軍が軍事力で占領したもの
そしてソ連の軍事力で占領されたもの
1941年の大西洋憲章は、戦争で領土変更することを禁じ、戦争による領土拡大を否定した。大西洋憲章の原則が後の国連憲章の基礎となっている。英国や米国は基本的にこの原則を守ったが、スターリンは憲章に参加表明しながらこの原則を乱暴に踏みにじった。スターリンによる蹂躙を英米も認めた。
という経緯もあるので、日本は大西洋憲章の原則から、本来、歴史的に一貫して日本の領土であった北方領土に関しては領有権を主張し続けてきた。
結果としてはずっと膠着状態であった。
戦争が終わったときに天皇は共産主義者の活動を恐れた
実際に朝鮮半島は分断された
連合国側では日本を米国の他にソ連や中国も含む諸国で共同統治する案も出ていたが
マッカーサーが中心になって無視した
天皇は身の保全を図りたかった
米国はソ連の侵攻を食い止めたかった
悪くすると北海道、もっと悪い場合には東北まで共産主義化する可能性もないではなかった
当時は米国が原発を所有し軍事力としては優位にあったが
米国は遠く、ソ連、中国は近かった
もしソ連が強行に、沖縄と同じ扱いで、北海道のソ連軍を認めろ、
軍艦の寄港や潜水艦の航行も認めろ、と強く主張したらどうなっていたものだろう
北朝鮮と韓国は二分されたのに、日本は二分されずにすんだ
沖縄を中心として、本土各地、北には三沢、北海道には自衛隊が集結して防衛する体制となった
いかには北海道は緩衝地帯として時間稼ぎをする場所、
何かあったら核兵器を使用する
という雰囲気である
占領が共同統治になった場合、天皇の戦争責任は免れず、退位して、弟の一人が天皇の地位を引き継ぐとの計画はあった
天皇は象徴となったのであるが、その後も独自の外交活動を継続しマッカーサーと交渉した
お堀のGHQ事務所に訪ねるとして、手ぶらではなかっただろう
結果として、マッカーサーは天皇を礼賛し、共同統治の話は消えた
当時のそのビルのあたりを、日本の映画女優が頻繁に歩いていたとの話は聞くところである
ソ連としては北海道よりも、東欧問題のほうが大きかったのだろう
敗戦時、天皇の緊急避難的対応として北方領土はひとまず諦め、北海道は緩衝地帯とし
本土を守る、ひいては共産主義革命から天皇の身を守る、ことが意図されたと思う
その後は、政治問題から、経済問題に国民の関心を移動し、社会党と自民党が裏で手を結んで
55年体制が築かれた
社会党は自衛隊違憲の問題を語ってはいたが所詮は自民党と結んでいたもので
自民党は米国に対して、米国の言い分もわかるが、社会党はどうしようもない、
悪くすると選挙で負けて、米国の利権も危ないなどと交渉するカードになったと思われる
当時の社会党も四島一括返還論だったと思う
そしていま2018年になって、二島返還、しかもプーチンは、主権の問題は書いていないから話し合うとのこと、
しかも、おまけで日本はロシアにお金を沢山払うらしい
なんのために?というあたりが報道されている
安倍首相の手柄にしたい
来年の参議院選挙でダブル選挙にする、そのときの宣伝材料にしたい
プーチンは支持率低下からの脱却の手がかりとしたい
しかし
たったそれだけのことのために60年に渡り続けられてきた努力を無に帰するというのだろうか
わかりやすい話は、プーチンが安倍の重大情報を握って、安倍は逆らえないとか
米ロで決めたことなので、安倍はイエスと言うしかないとか
安倍氏は日本国民に向けて、役人が書いた原稿を読むことしかしない
しかもそれは説得力がなく心に響かない
ニュース番組に呼ばれれば、キャスターと喧嘩をして帰る人だ
今回はどういう事情があるのか説明してはいかがか
どういう外交をしているのか、不可思議
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