唾液で鉄分測定、実用化へ ファンケル、採血要らず

唾液で鉄分測定、実用化へ ファンケル、採血要らず
化粧品や健康食品を手掛けるファンケルは2日、唾液中の成分から簡単に鉄分が足りているかどうか調べることができる検査方法を実用化する方針を明らかにした。
採血の必要がなく、手軽に測定できるため、鉄分不足による貧血に悩む女性にとって朗報になりそうだ。
子供にも安全な検査手法として期待される。
 唾液中に含まれるタンパク質「フェリチン」の濃度は鉄分量と相関関係にある。
ファンケルは2016年、古河電気工業と共同で、唾液を浸透させた検査紙を機器にかけるとフェリチンに反応して光り、明るさで濃度が分かる技術を開発した。
光が弱いと鉄分不足を示す。
 ファンケルは検査キットの発売を目指して開発を急ぐ。
店頭でお客の鉄分を測り、不足している人にサプリメントの購入を勧めるといった活用も検討。
担当者は「簡単に検査できれば、納得してサプリメントを使ってもらえる」と話している。
 ファンケルによると、20~40代の女性の多くは鉄分が足りていない。
不足気味の女子児童や生徒も目立つ。
本人の自覚がない「隠れ貧血」は増えている。
担当者は「唾液による鉄分測定は血液検査と違って体を傷つけないので、子供の健康診断にも使える」と普及に自信をのぞかせている。