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どうやら、人間の愛情というのは、結婚してから「3年」でなくなるらしい。
結婚して20年、30年続いている夫婦がいますが、この人たちがどうして長く続いているのかというと、結婚してから3年の間に、「愛情以外の別の概念」をつくり上げることができたからです。
愛情を永遠のものだと勘違いして、その愛情だけに寄りかかっていると、結婚生活は破綻をきたすらしい。
「いつまでもこの人を愛し続けよう」と思っても、「いつまでもこの人から愛され続けるだろう」と信じていても、生物学的に見ると、愛情は、「結婚後、3年で終わってしまう」ようです。
結婚すると、普通は「ゴールイン」といわれますが、じつは結婚した瞬間から、「3年間の執行猶予(しっこうゆうよ)」がはじまります。
この執行猶予中に、「愛情以上の価値観=尊敬」をつくり上げることが「結婚生活」のようです。
では、どうすれば相手を尊敬できるようになるのでしょうか。
それは「常に相手のよい面を見つけること」です。
目の前の夫、目の前の妻を、自分の思い通りにつくり変えようとするのではなくて、「相手はこういう個性があって、自分とは違うものを持っているんだ」と、丸ごと全部受け入れる(感謝する)。
そして、相手のすばらしいところ、社会のよいところ、宇宙の楽しさを、自分の中で見出す訓練ができるようになると、あれこれと批判、論評をしなくなり、お互いを認め合うことができるようになります。
同じ言葉を他人から言われたときは、怒らないで踏み止まることができるのに、同じ言葉を妻(夫)から言われると、すぐに腹を立てる夫(妻)がいます。
外では踏み止まれるのに、家では踏み止まれない(正確に言うと「踏み止まらない」)のは、「幼児性」があるからです。
結婚は、何のために存在するのか。
じつは「幼児性を克服するため」に存在しているようです。
家庭というものは、自分の思いを通す場所でも、甘える場所でも、ストレスを発散させる場所でもありません。
家庭は「幼児性を削って大人になる作業をする場所」として存在しているらしいのです。
結婚をして、わがままが言える相手ができた状態になったとき、いかに踏み止まって相手を受け入れるか。
それを問われているのが「結婚の本質」のようです。
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