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イデオロギーではなくアイデンティティという話が沖縄の選挙で語られた
イデオロギー対立は多分、野党与党の対立で
アイデンティティはオール沖縄と本土・日本政府の対立なのだろうか
しかし現在は野党与党の対立はイデオロギー対立というよりは
どちらも現状維持またはより右派勢力であって、分かれているのは選挙区の都合で
自民党候補者がいる場合に野党から出ているに過ぎない、という程度の違いだろう
政治家の汚職や倫理に対しても同じような認識だろうと見える
沖縄でことさらにイデオロギー対立というものでもないだろう
今言われているのは「1パーセントと99パーセントの対立」だが
その格差対立に対して有効なイデオロギー的視点が立てられているとも思えない
沖縄の問題をアイデンティティの問題にしてしまうのは
沖縄米軍問題や沖縄の歴史についての他者からの理解を拒絶することにつながらないだろうかと危惧される
分かる部分もあるのだがなんだか釈然としない
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与野党対立の選挙になったので、与野党の対決ならばイデオロギーの対立だと解釈されれば、
現在の日本では左翼はないのだし民衆の味方もない、貧しい人の味方は政治家になれない、
そんな中では自民党に有利になるに決まっている、
それでは負けてしまうので、この選挙はアイデンティティの戦いだと定義して、
沖縄の人であるならば基地に反対のはずだから野党候補に投票しろと言っているようで
つまりは日本バンザイに賛成しないやつは非国民だと定義しているのと変わらないではないか
政策論争がそこにはない
基地に反対の理由が、沖縄人だからというのでは、理屈にも何もなっていない
沖縄か、非沖縄か、と踏み絵を踏ませるようなことはおかしいだろう
確かに、日本国政府の行いは野蛮であり、沖縄を踏みにじるもので、恥ずべきものだ
しかしずるいことにも理由があったはず
その理由を攻めるのが正しいと思う
そうしないで、愛国主義みたいにオール沖縄で感情を前面に出すなら
軍国日本と同じ間違いを犯しているのではないかと思う
というわけで安倍政権と同型の政治運動で勝利した沖縄知事選と言えるかもしれない
結果オーライというやつだ
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