統合失調症および統合失調症様障害のほとんどの症例でアミスルプリド(Amisulpride、※日本国内未承認)とクロザピンにより寛解を達成できるとする研究結果が、「The Lancet Psychiatry」8月13日オンライン版で報告された。
ルドルフ・マグナス脳センター(オランダ)のRené S. Kahn氏らは、欧州14カ国およびイスラエルの27施設の統合失調症、統合失調症様障害、統合失調感情障害の患者481名(18~40歳)を対象に研究を実施。第1フェーズ(非盲検)でアミスルプリドを4週間投与し、そこで症状寛解の基準を満たさなかった患者を第2フェーズ(二重盲検)でアミスルプリド継続投与群とオランザピンへの切り替え群に無作為に割り付け、それぞれ6週間投与。その後、第3フェーズ(非盲検)では、10週目の時点で寛解を達成しなかった患者に対し、クロザピンを12週間投与した。
治療意図(ITT)解析対象となった患者446名中、371名がアミスルプリド投与(第1フェーズ)を完了し、250名(56%)が寛解を達成した。寛解を達成できなかった93名の患者が6週間の第2フェーズへ進み、77%が試験を完了。アミスルプリド群およびオランザピン群で、それぞれ45%および44%が寛解を達成した(P=0.87)。寛解を達成できなかった40名のうち28名が第3フェーズのクロザピンの投与を受け、投与期間を完了した患者18名のうち28%が寛解を達成した。
Kahn氏らは、オランザピンへの切り替えが転帰向上を示さなかったことから、「統合失調症の初期段階の患者のほとんどは、アミスルプリドおよびクロザピンの連続投与という単純な治療アルゴリズムにより症状寛解を達成できる」と結論している。
なお、著者の数名は製薬企業との利益相反(COI)を開示している。