タバコと乳がんについての最新知見

人気テレビアニメ「ちびまる子ちゃん」の作者さくらももこさんが乳がんのため53歳で逝去した。これに関連して日本禁煙学会(作田学理事長)は8月30日、「タバコと乳がんについての最新知見」と題する情報を公式サイトで発表した。ヘビースモーカーであったさくらさんについて、「タバコと乳がんとの関連をまったくご存じなかった」と指摘している。
さくらさんの”悲劇”を繰り返さないために最新知見を公開
 同学会はさくらさんがヘビースモーカーであったことに触れた上で、「タバコは私に健康の大切さを考えさせ、吸うからにはまず健康を確保しろということに気づかせてくれた」とのさくらさんの言葉を紹介。「これはタバコと乳がんとの関連をまったくご存じなかったとしか思えません」との見解を示した。このような”悲劇”を繰り返さないために、最新知見を公開したという。
 最新知見の内容は以下の2点。
①閉経前乳がんの罹患リスクは、受動喫煙がない非喫煙者に比べ受動喫煙がある非喫煙者で2.6倍、喫煙者では3.9倍に上昇する。喫煙も受動喫煙もなければ、日本の若年女性の乳がんの56%が予防できる
②閉経前乳がん患者の10年生存率は、非喫煙者では90%なのに対し、喫煙者では60~70%台に低下する
 これらのことから、同学会では子供たちに禁煙のメッセージをしっかり伝えることを強く訴えている。