高次脳機能障害は、脳の機能が低下し、感情のコントロールができなくなったり、物事に集中できないといった症状が現れたりする。重度になると10~15分前の記憶をなくしてしまう。障害が周囲の人に認識されず、引きこもりや自殺に追い込まれる例もあるという。  こうした事情を背景に、2009年8月、同センターは窓口を設置。電話やメールで相談を受け、地域の福祉サービスの紹介、障害者手帳の申請などを助言している。

病気や事故で脳に損傷を負い、認知障害を引き起こす高次脳機能障害について、兵庫県の支援拠点、県立総合リハビリテーションセンター(神戸市西区)に寄せられる相談件数が増加し、本年度は4千件を超す見通しとなった。3年前の2倍以上といい、同センターは担当者を増員するとともに、福祉施設などとの連携強化を図る。
 高次脳機能障害は、脳の機能が低下し、感情のコントロールができなくなったり、物事に集中できないといった症状が現れたりする。重度になると10~15分前の記憶をなくしてしまう。障害が周囲の人に認識されず、引きこもりや自殺に追い込まれる例もあるという。
 こうした事情を背景に、2009年8月、同センターは窓口を設置。電話やメールで相談を受け、地域の福祉サービスの紹介、障害者手帳の申請などを助言している。
 10年度は延べ1657件だったが、11、12年度は3600件を突破し、本年度は7月末で1474件。このペースだと年4千件を超すという。担当職員の藤坂幸広さん(37)は「相談の増加は障害の認知が広まってきた証拠」と受け止める。
 東京都の08年調査による推計で、障害のある人は全国で約50万人。兵庫県内の数は把握できず、藤坂さんは「センターに寄せられる相談が全てではない。支援の網にかからない人も少なくない」と指摘する。
 同センターは相談担当者を本年度から1人増やし、3人で対応。県内の福祉事業所や病院などとの連携を強化するほか、支援者を対象とした研修を9月と12月に開くなど、支援策に力を入れている。