“発展途上国というと、悪い意味で働き者が多いですよ。 例えば、毎日何キロも水を汲みに池まで行っては水を汲んでまた帰るという作業を延々とやっているところが多いんです。 液体って重いんですよ、よくやるなあぁ、日本人なら(怠け者だから?)、さっさと山に穴を開けて水源から水を持ってくるだろうに、と思いながらテレビ番組を見ています。 新潟などでも降雪時に医者の所へ速く行くために、大きな山にノミで穴を掘って道路にしたところが2・3カ所あります。一度掘ってしまえば子孫は楽ができるのですよ。 あるいは、日本の縄文式土器、それも縦長で底がとんがっていたり丸かったりするような土器の、底の部分だけ煤がついていたりします。 これは縄文人が「竈」を使っていたということを意味します。自力ではこれらの土器は立たないし、石を置いたりして煮炊きに使ったら、底以外にも煤は付きますから。 ところが、発展途上国には21世紀のこん日になっても、竈を知らず、石を数個置いてそこで火を燃やすして煮炊きしていたりしているところがあるわけですよ。 石の間から熱が逃げるから薪が大量に必要になるのに、薪を集めることを苦労だとか苦痛だとか思わないのだろうか、「なんとか熱を逃がさないようにできないものか」と思わないのかなあ、と思いながらテレビ番組を見ていたりします。 つまり、彼らは知恵を働かせないで体を働かせて、それで満足している、という状況ですね。 やっていることは、大昔からやってきた肉体労働だから、儲からないのです。儲からないから資本が国内に蓄積されない。故に発展しない。”