“本当に今みんな所得が減っているんだよ」という話でした。 新卒や20代、30代の若手の頃ならまだしも、40代、50代になり各人の出世がはっきりしてくると、その所得差が明確になってくるんだよ。(ちなみにその方は50代)。そこで、例として出たのが、サイゼリヤの話だったのです。 子どもの繋がりで、地元のお父さん仲間と飲みにいくとき、まず最初にサイゼリヤに行くらしいんですね。いま34歳の私のイメージでも「飲み屋(居酒屋)に行けばいいんじゃないの?」と思うんですが、そこはわざとサイゼリヤに行くらしいんです。なぜなら、お父さん仲間がそれぞれどのくらいの所得かがわからないから、です。 そして、お父さん仲間と仲良くなって、だいたいの生活感がわかった上で、「飲み屋行きませんか?」とか「焼肉行きませんか?」とか、お誘いの単価を少しずつ上げていくようなのです。昔だったら、何も言わずとも「飲み屋」の一択だったのが、まずサイゼリヤからになっていると。その方の言葉を借りれば、「飲み屋行きましょうなんて、怖くて声をかけられない」ようなもの、とのこと。 それを聞いて、国民全中流から所得差が開いた日本の問題を感じつつも、「なるほど、サイゼリヤで『飲む』という選択肢があったのか!」という、身近な目からウロコがありました。すっかりサイゼリヤは「ファミレス」という認識を持っていたので、最近行ってなかったのですね。 そこで、嫁と久々にサイゼリヤに行ったのですが、「なるほど、ここにみんないましたか」という感じだったんです。 まず年齢層が幅広い。10代から60代、70代まで幅広い客層が来店しています。そして、来店しているグループも2人や4人という複数人のグループではなく、1人で来ている方もいます。ファミレスだから当然ちゃ当然ですよね。しかも、1人で来ているお客さん(若い女性)がさらっと白ワインのデカンタを飲んでいたりするんですね。これは、居酒屋じゃ当然の風景ではないですよね。もちろん、複数人で来店して、「飲み屋がわり」に利用しているグループもおりました。なるほど、みなさんここにいらっしゃいましたか、と。 考えてみれば、「お通し」もないし、ワインは1杯100円だし(しかも並々と注いである)、ワインをボトルでいれても飲み残しを持って帰っても大丈夫だし、サイゼリヤの「お酒を飲む」お店としてのサービスレベルは高いと思うんですね。今までは駅周辺の居酒屋を散策していたのですが、なんだか「サイゼリヤで全然いいじゃん」と言う気分になっちゃいました。(しかも、どんなに頑張って食べて飲んでも1人2,000円くらいにしかならない) お安目居酒屋の閑古鳥が軒並み鳴いている中で、ファミレスの居酒屋化がここまで進んでいるとは思いませんでした。みなさんも、「できれば金曜の夜に」サイゼリヤに行ってみてください。日本の外食市場・外食文化の流れと、「ここでいいじゃん」感を感じ取れるかもしれません。”