もしアセトアミノフェンの効果が不十分、または効かなくなったと感じた場合は、
投与量は少なくないか
投与間隔は適切か
食後に飲んでいないか
疼痛の原因が増強していないか
これまでとは異なる痛みが出現もしくは増強していないか
─といった点を再確認していただきたいと思います。例えば、投与間隔については、非常に速やかに代謝されるため1日4回投与が望ましいと考えています。また、添付文書上では推奨されていませんが、アセトアミノフェンは空腹時に服用することで患者さんの満足度は上がり、安全性にも問題のないことを示すエビデンスも報告されています。
アセトアミノフェンには誕生してから100年以上の歴史がありますが、その鎮痛メカニズムはいまだ不明です。ただ、末梢性のCOX阻害ではないこと、中枢性に作用することから、NSAIDsとまったく異なる作用機序を有しているのは間違いありません。また、アセトアミノフェンは、その長い臨床の歴史から多くの利点(図5)を持つことが判明し、NSAIDsのような副作用はごくまれで、誰にでも安心して処方できる使い勝手のよい薬であることがわかっています。もちろん、短所がまったくないわけではなく、大量服用により重篤な肝障害を来す可能性がある、本邦では注射剤がないなどの点はあげられますが、長所のほうが短所をはるかに上回っていることは明白だと思います。