“そうしたら先生が、
「おまえら、うるさいぞ!ふざけてばかりいないで、静かにして15分瞑想しろ!!!」
って突然、怒鳴ったんです。うるさい人は一部だし、僕自身がうるさい訳じゃないので、なぜ今、全員で瞑想ということをするのか?の意味がわからなかったですが、
「目を閉じて!!」
とまた怒鳴るので、目を閉じたら僕の頭の中に球面体が出てきたんです。それを頭の中で切ってみたら、一回切ると断面は、円なのですが、もう一回切ると、断面の形は変わるんです。これはすごい!と思っていると、次に頭の中に、立方体がでてきたので、今度はそれを斜めに切り、さらに違う方向に斜め、さらに・・って切り口をいれていくと5角形がでてくるんです。これで、表面の面積がわかれば、立体の容量がでてくるのかな??と思っていたんです。当時の僕には、すごい発見です。
その立体をずっと思い描いてたら、15分たちその先生が白い紙をくれたんです。
その紙に先生が
「今の15分で瞑想したことをこの紙に書け!」
というので、僕は必死になって断面図を書きました。頭に思い浮かんだものを書き留めておかないと、こんな発見、滅多にありませんから。
たぶん、満足そうな顔をしていたんだと思います。先生が一番に、僕を当てたんです。
「じゃ、紙に書いたものを読んでみろ!」
って言われたので、僕は図式を必死で読み上げました。図なんで、読みにくかったんです。そしたら、今までうるさかったクラスが、水を打ったようにしーーーん。ってなったんですよね。先生もすっごい驚いた顔をしてしーーんってなった・・。”
自閉症児 渡の宝箱