“
目が覚めてしばらくして、はっきりとわかった。
約8年前、私が音楽で燃え尽きた理由が。
私は「欠乏動機」で音楽をやっていたことに燃え尽きたんだ!
欠乏動機とは
足りない、欠けている、十分でない
というマインド。
能力が、技術が、知識が、経験が、才能が、努力が
これじゃまだまだダメ。
足りてない。追いついてない。未熟だ。
こんなんじゃぜんぜん。この程度じゃまだまだ。
もっとやらないと。もっと努力しないと。
もっと勉強しないと。もっと全体がわからないと。
もっと書けないと。もっと楽器のこと知らないと。
もっと研究しないと。もっと最先端を追いかけないと。
もっと器を広げないと。もっと経験積まないと。
もっとアレもコレもできて、アレもコレもわかってないと。
あーあー、もっともっともっと・・・・
うおお〜〜〜、もううんざりだ!
こんな音楽の仕方を何十年もやってきて、
私はついに燃え尽きたのだった。
欠乏でエンジンが回っているから、
いつまでも足りるということがない。
「もうこれでいい」ということがない。
自分自身が欠乏動機で回っているかぎり
現実からも、いつも「自分の欠乏」を突きつけられる。
そしてまた、自分の欠乏に打ちのめされる。
だからまた、やらなくちゃ、がんばらなくちゃと
重い足を引きずって勉強へ、努力へ・・・
その回路に終止符を打つために
私は燃え尽きたんだ。
”