高さ100メートルを超える超高層ビルが、わずか19年で命を終える

 大手町については、高度経済成長期のビルが老朽化して建て替えているという事情もある。ただ、大手町タワーの前にもともとあった「大手町フィナンシャルセンター」の竣工は1992年。最近なのだ。高さ100メートルを超える超高層ビルが、わずか19年で命を終えることになった。
夏目漱石「三四郎」は明治時代の小説だが、上京した三四郎が見た東京の景色はこんなだった。
「三四郎が東京で驚いたものはたくさんある。(略)どこをどう歩いても、材木がほうり出してある、石が積んである(略)。すべての物が破壊されつつあるようにみえる。そうしてすべての物がまた同時に建設されつつあるようにみえる。たいへんな動き方である。」
いまの東京も変わらない。