「話のわかりやすい人」と「わかりにくい人」のちがい

「話のわかりやすい人」と「わかりにくい人」のちがい
1. 「結論」から話すか、「過程」から話すか
例 「今日の打ち合わせの結果どうだった?」と聞かれたとき
話のわかりやすい人は「うまくいきました」「イマイチでした」と結論から話します。
話のわかりにくい人は、「最初に○○の議題が有りまして、XXさんが○○と報告しました。そして…」と、過程を1つ1つ述べます。 小説や映画など、「過程」を楽しむ場合は問題ないのですが、これは「わかりやすい話」ではありませんね。話は結論からはじめましょう。
2. 「具体的」に話すか、「抽象的」に話すか
例 「仕事の優先度はどのようにつける?」と質問されたとき
話のわかりやすい人は「まず、タスクを書き出します。それら1つ1つに納期と、重要度を1から3の三段階に分けて書き付けます。納期までの日数と、重要度を掛け算して、数値の高い方から並べます。それを優先度とします。」などのように、具体的に回答します。
話のわかりにくい人は、「早くやらなくちゃいけない仕事や、大事な仕事の優先度を高めます。」と回答します。 これは「早くやらなくちゃいけない」「大事な」の中身が判然とせず、話が抽象的でよくわかりません。話は具体的にしましょう。
3. 「聞かれたこと」を話すか、「自分が話したいこと」を話すか
例 「今日はどのお客さんに行った?」と聞かれたとき
話のわかりやすい人は「A社、B社、C社を回りました。」とだけ、簡潔に答えます。
話のわかりにくい人は「A社はすごい話が盛り上がりまして、良かったです。B社は担当者が不在で、連絡先を教えてもらって、やっと捕まえました…」と、聞かれていない部分についての話が長いです。 会話としては悪くないのですが、話のわかりやすさは今ひとつです。話は「聞かれたこと」を簡潔に答えましょう。相手が知りたいことがはっきりしている自信があれば、それを+αとして付け加えるのもいいでしょう。
4.「相手の反応を見て言葉を変える」か、「一律の表現を使う」か
専門用語を使いたいとき 話のわかりやすい人は、専門用語を出して聞き手の顔が曇ったら、次から専門用語ではない言葉を使います。逆に、相手がその用語を理解しているようであれば、積極的に使ってみます。このように、リアルタイムに言葉を変化させます。
話のわかりにくい人は、相手によらず、一律の言葉、一律の表現を使います。 話すというのは当然ひとつのコミュニケーションですから、言葉以外の要素も加味したいところです。話は聞き手の反応を見て、言葉を変えながらしましょう。
5. 「全体から入る」か、「詳細から入る」か
例 「将棋」を知らない人に将棋のやり方を伝えるとき
話のわかりやすい人はまず「2人でやるゲーム」「コマを動かして、相手の王様を取れば勝ち」という最も大きなルールを相手に伝えます。次いで、「駒の種類」「最初の駒の並べ方」「駒の動かし方」「駒のとり方」「取った駒の使い方」といった具合に、全体から詳細へと順番に説明を行います。
話のわかりにくい人は、いきなり「駒の動かし方」や「成(なり)のルール」から説明したり、あるいは「反則」についての説明を入れてしまったりと、詳細から、構造を意識しないで話します。 理解に役立つイメージの共有は、やはり全体像から説明されることで可能になります。話は全体から入るようにしましょう。
6.「相手の理解のスピードにあわせる」か、「自分のペースで」か
例 「インターネットとは何か?」を、小学生くらいの子どもに説明するとき
話のわかりやすい人は「コンピューターってわかる?」からはじめます。子供が「お家にあるパソコン」とか、「学校で見たキーボードのついている機械」、「スマートフォン」などを想像したら、次に「じゃあ、コンピューター同士って、つながってるよね?」と、メールなどの事例を挙げて伝えます。それが相手にわかったら、最後に「そういうコンピューター同士のつながったものを“インターネット”って呼ぶんだよ」と伝えます。
話のわかりにくい人は「コンピューターがつながったものをインターネットって呼ぶ」と、相手の理解の速度を考えません。相手は複数のことを同時に理解しなければならないので、話についていくだけで大変です。 途中で相手の理解を確かめるために、「ここまでは大丈夫?」などと聞くのも大切な共有ですね。話は相手の理解スピードに合わせてしましょう。
7. 「こそあど言葉」を避けるか、「こそあど言葉」を多用するか
例 申請書を部長に渡してほしいとき
話のわかりやすい人は手抜きをせず「申請書を部長に渡しておいて」と言うでしょう。
話の分かりにくい人は「これをあの人に渡しておいて」と言います。状況をかなり共有できていない限り、「これ」「あの」が何だかわかりません。 「こそあど言葉」とは、「これ」「それ」「あれ」「どれ」に代表されるような指示代名詞の総称で、便利ではありますが、話はなるべく「こそあど言葉」を避けてするのがいいでしょう。
8. 「脱線」するか、しないか
例 システムトラブルが起きた際に、役割分担についての話をするとき
話のわかりやすい人は「ある話題」がきちんと終わってから「次の話題」に移ります。
話のわかりにくい人は「役割分担」を相談している最中に突然、「あ、次のユーザーテストはいつでしたっけ?」と、本来「役割分担」をした上でするべき話題を持ち出すことがあります。
話が脱線すると、そもそも何の話をしていたかについて立ち返ることが必要になり、時間もロスします。1つの会話を終わらせてから、次の会話をはじめるようにしましょう。