忠君愛国少年

その人は忠君愛国少年だった
戦争が終わって歴史を研究した
一途な人だ
何かに命を捧げること
忠誠を尽くすこと
が好きなのだと思う
そういう性分なのだと思う
その人を見ていると、もうかなりのお年なのであるが、
やはり、尽くすに足るだけの人物と出会うことは幸せである
出会わないのは一生の不幸である
忠誠とか、Royality とか 好きな言葉ではなかったけれども
それは君主の家に生まれただけのアホな君主に忠誠を尽くすのは意味が無いと思うだけで
真に忠誠を尽くすに足る人物がこの世には居て、
その人に忠誠を尽くす人生は素晴らしいものだと、今は思える
たいてい、そのような人物に出会ったと思っても、裏切られ、失望し、
裏切られない確実なものということで
宗教的な地平に分け入っていくものだろうと思う
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人間は赤ん坊として生まれ、脳神経系を発達させるのであるが、
それを抑制系を発達させることで成し遂げる
だから、十分に発達した人間の脳は、抑制系が優位であり、
自分が抑制できる人間であることに深い満足を覚え、
抑制できる人物であることを周囲も賞賛してくれる

「泣いて馬謖を斬る」ことができる人物である

しかし最近ではそのような感覚も薄れているようだ

すぐに切れる
仲間内だけを優遇する
金にだけ忠誠を尽くす
金をもらった方は卑屈になり、くれた人間を内心では軽蔑している
金を渡した側の人間は、受け取った人間を軽蔑している
軽蔑している同士がくだらないことで人生の時間を使い果たす
攻撃性がないのではない
攻撃性は十分すぎるほどにある
しかしそれを抑制する力がさらに強くある
そのような人物が強いオーラを放つ