子育てと同時に親の介護に直面する「ダブルケア」

 35歳以上で出産した女性の半数以上が、子育てと同時に親の介護に直面する「ダブルケア」を経験していたことが、第一生命経済研究所の調査でわかった。一方で、出産時にダブルケアを想定していた人は1割ほどにとどまっていた。
 調査は昨年10、11月、35歳以上で出産した40~59歳の女性と、同じ条件の妻を持つ男性を対象にネットで実施。女性492人、男性595人が回答した。
 その結果、女性の52・9%、男性の47・1%がダブルケア(一時的な介護も含む)を経験していた。出産時にダブルケアになるかもしれないと意識していた人は女性で12・6%、男性で3・5%だった。
 内閣府の推計では、全国にダブルケアの人は少なくとも約25万3千人いる。晩産化や高齢化で今後増えるとみられている。第一生命研の担当者は「ダブルケアは介護の負担増だけでなく、親からの子育ての協力も得られなくなる」と指摘。資金面などの備えが重要としている。