やる気を出すには「コーヒー」より「階段」が効果的
コーヒーを飲むよりも軽く階段を上るほうが、やる気を出すのには役立つという研究結果が、米ジョージア大学運動学部教授のPatrick O’Connor氏らにより報告された。
今回の研究の被験者は、慢性的に睡眠不足(一晩の睡眠時間が6.5時間未満)で、カフェイン摂取量と身体活動量はともに適度であると報告した女子大学生18人。
被験者には別々の日に、カフェイン50mg(炭酸飲料で約1缶分)のカプセルを摂取するか、プラセボを摂取する、あるいは階段の上り下りをゆっくりと10分間(全体で約30階分)実施した後、気分について回答し、作業記憶、集中力などに関する検査を受けた。
その結果、カフェインまたはプラセボを摂取したときは、被験者の気分にさほど大きな変化はみられなかったが、階段を上り下りした後には、力強く元気が出ると感じたことが分かった。
ただし、この運動による気分の高まりは直ちに生じたものの、長続きはしなかった。
その他の検査では有意な差は認められなかった。
この研究では、会社勤めの人でも容易かつ簡便にできる運動であることを考慮したという。
O’Connor氏は、「会社の外に出て歩くこともできるが、天候に恵まれるとは限らない。
階段であれば雨に降られることもなく、短時間上り下りをするだけでも気晴らしとなり、やる気が出ると感じられるようである」と述べている。
本研究は「Physiology and Behavior」5月15日号に掲載された。