日本の赤ちゃんが小さくなっている。折しも、生まれたときの体重が少ないと、将来、生活習慣病などになるリスクが高くなるという研究が欧米などで相次いで報告されている。出生前の栄養が次世代に与える影響について、早くから警鐘を鳴らしてきた産婦人科医で、早稲田大学理工学研究所研究院教授の福岡秀興さんに聞いた。
――生まれたときの赤ちゃんの体重はどう変遷してきましたか。
「出生時の平均体重は、戦後の経済成長とともに増加しました。1980年がピークで、男子3230グラム、女子3160グラム。その後は減少の一途で、2010年には男子2980グラム、女子2910グラムと、ともに3千グラムを切りました」
「注目すべきは、『低出生体重児』と呼ばれる、2500グラム未満で生まれる赤ちゃんの割合が1975年以降、増加していることです。75年の5・1%から、90年6・3%、00年8・6%と推移し、13年は9・6%でした。先進国の中で日本は最も高く、特異です」