内閣府はこの期に及んで「加計学園を早くしろ、平成30年度(来年4月)に開校しなければ国家戦略特区を取り消すぞ」と今治市の企画財政当局に恫喝をかけてくる・・・今治市議会関係者がこう明らかにした。
今治市が36億円の市有地を無償譲渡し、さらに校舎などの建設費の半分(=64億円)を補助する加計学園・岡山理科大学獣医学部。理事長の加計孝太郎氏は安倍首相の大親友である。
今治市の急ぎようは常軌を逸している―
3月定例市議会の初日(3日)に、いきなり先議で「無償譲渡」を採決したのである。採決から約1週間後には、着工式もないままに建設工事が始まった。国家戦略特区を担当する今治市企画財政部が議員に配布した工程表によれば、着工式は3月上旬とされていたにもかかわらず。
加計学園をめぐって内閣府が今治市をクレージーなまでに急がせたのには背景があった。安倍首相自らが国会でそれを披露するとは驚きだった―
参議院予算委員会できょう、社民党の福島みずほ議員が質問した。「総理は加計学園が今治市で獣医学部を作りたいと思っているのを知っていたか?」
安倍首相は気色ばんだ。友人の加計孝太郎氏を守りたいのだろう。恫喝口調だった。
「福島さんね、特定の名前を出している以上、政治によって歪められたという確証がなければ、その人物に対して極めて失礼ですよ・・・あなた責任とれるんですか」。首相は周章狼狽し早口になった。
安倍首相は聞かれてもいないのに、国家戦略特区で獣医学部を作るスキームについて話し始めた。語るに落ちるとはこのことである。
首相いわく「遊休地で地方自治体が困っている時、一番いいのは大学誘致なんです」、「若い人が来て、町が形成される」、「業界団体の反対があるから、特区でやるんです」。まるで加計理事長からレクチャーでも受けたかのようだった。
筆者が銚子で聞いた、加計学園の大学を誘致した元市長とほとんど同じセリフである。元市長も安倍首相も、加計理事長とは20年以上の付き合いであることも共通する。
内閣府の役人が忖度して自治体に恫喝をかけたりするだろうか? 加計理事長に便宜を図ろうとする安倍首相本人か側近が内閣府に圧力をかけたと見る方が妥当である。