青年は荒野をめざす
同一部族内で血縁関係を続けていくと
遺伝的に弱いものになってゆく
長男は親を養育する必要があるので
土地を離れられない
女は子供を養育する必要があるので
土地を離れられない
次男以下の男性たちは
その土地にとどまってていようとするなら
半人前のままでいるか
後継者に取って代わるしかない
そのために青年は荒野をめざすのである
未知の土地の道の人々と巡り合う
そしてそこで遺伝子を残す
さらに留まることなく旅を続ける
そのようにして、荒野を目指す遺伝子は受け継がれてゆく
女たちは第一子としては正当な後継者の子供を産む
しかしその後は、女たちの意志次第である
そして女たちは、荒野を旅してきた異国の若者に恋をする
それは一時的なもので
若者はまた旅に出る
生まれた子供は正当な後継者の子供として育てられる
女以外は誰も知らない
そして子供がおとなになる頃
旅に出たい遺伝子が発動する
異国の女を孕ませるために旅は続く