防衛省が大学などでの研究に補助金を出す「安全保障技術研究推進制度」について、関西大(大阪府吹田市)は7日、教員の応募申請を認めないとの方針を決めた。国内外の公的機関や民間企業からの軍事目的を前提とした研究費も受け入れないという。
関大によると、すでにある大学の研究倫理規準で「人間の尊厳、基本的人権や人類の平和・福祉に反する研究活動に従事しない」と定めており、ルールを明確化したという。方針は、①制度への応募申請に加え、他大学の申請に共同研究者として参加することも認めない②軍事防衛を所管する公的機関からの研究費は受け入れない③企業からの軍事防衛目的の研究費を受け入れない、とした。
防衛省は昨年度、民生用と軍事用のどちらにも利用できる研究について、大学や国の研究所に1件最大3千万円を3年間支給する制度を始めた。2015、16年度で計19件が採択された。制度をめぐっては、軍事研究を禁じてきた日本学術会議がその方針を転換するかどうかの議論を続けている。