東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業で使うことを想定したロボットのコンテスト「廃炉ロボコン」が福島県楢葉町で開かれ、全国各地から出場した高等専門学校の15チームが、その技術力を競いました。
「廃炉ロボコン」は、40年かかるとされる福島第一原発の廃炉作業について若い世代にも関心を高めてもらおうと、文部科学省などが初めて開きました。
地元・福島や東京など全国13の高等専門学校から合わせて15チームが出場し、原子炉が入っている建物の中を模した急な階段を上り下りしたり、高い場所の映像を撮影したりする課題に取り組みました。
電子機器が強い放射線にさらされる状況を想定して、作業の時間は5分から10分に限られ、コンクリートの厚い壁で電波が通らないため、ロボットは原則ケーブルを使って制御します。
各チームは走行用のベルトのほかヘリウムガスが入った風船や小型の無人機、ドローンを使ったロボットなどで課題に挑み、課題をうまくクリアすると会場から拍手が起きていました。
伸縮するアームを使って高い場所の撮影に成功した東京工業高専の男子学生は、「放射線の影響を考慮して電子部品を減らし、実際に使えるような仕組みを考えました。研究を進めて、いつか復興の役に立ちたいです」と話していました。
今回、課題に挑んだロボットについては、企業からの要請があれば、そのアイデアを生かした共同研究も行われるということです。(NHK)