有権者への裏切り 三反園知事が川内再稼働を事実上容認 九州電力川内原発

有権者への裏切り 三反園知事が川内再稼働を事実上容認
 有権者への裏切り行為だ。鹿児島県の三反園訓知事が28日、定期検査中の九電・川内原発1号機の運転再開を事実上容認した。
 三反園知事は28日開会の県議会定例会に、第三者機関「原子力問題検討委員会」設置のための予算案を提出。その理由説明で、「(九電の)特別点検の結果報告を検討委で検証し、その結論を踏まえて(運転再開の是非を)総合的に判断したい」と語った。
 九電の報告は来年1月初旬の予定。12月8日にも見込まれる運転再開にはとても間に合わず、事実上の容認に転じた。
 今月11日に原発内を視察した後には「私に稼働させるさせないの権限はない」と繰り返すなど、明らかにトーンダウン。7月の知事選で川内原発の一時停止を公約に掲げたのは票目当てのパフォーマンスだったようだ。
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鹿児島知事、川内停止要求トーンダウン 脱原発派は反発
2016年11月29日05時32分 朝日新聞
 稼働中の原発の即時停止を要請した知事が、定期検査後の運転再開について判断をまた先送りした。鹿児島県の三反園訓知事が九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の一時停止などを公約に当選して4カ月半。停止をめぐる発言は次第にトーンダウンし、支持してきた脱原発派は反発を強めている。
 「(九電の)特別点検の結果報告を委員会で検証し、結論を踏まえてどのような対応が必要か総合的に判断したい」。28日、県議会に第三者機関「原子力問題検討委員会」設置のための予算案を提出した三反園知事は、議案説明でそう述べた。九電が報告を予定するのは来年1月初旬。12月8日にも見込まれる1号機の運転再開にはとても間に合わない。
 7月の初当選時には、熊本地震の不安を背景に「安全性が確保されていない原発を動かすわけにはいかない」と発言。8月26日に県庁で、9月7日には福岡市の九電本社隣のビルで、瓜生道明社長に直接「直ちに停止」を要請した。
 ところが、九電から拒否されると、「極めて残念」としながらも「また要請しても、結論は同じかもしれない」と即時停止を事実上断念。九電が示した特別点検などの安全対策を評価するようになった。焦点は、10月6日に定期検査で停止した1号機の運転再開を認めるかどうかに移った。