『思ひ出』-糸車 北原白秋

糸車、糸車、しづかにふかき手のつむぎ その糸車やはらかにめぐる夕ぞわりなけれ。 金と赤との南瓜(たうなす)のふたつ転がる板の間に、 「共同医館」の板の間に、 ひとり坐りし留守番のその媼こそさみしけれ。 『思ひ出』-糸車
北原白秋