月: 2016年8月

人心の感応は磁石が鉄を引き寄せるようなものである。 　「人の情は測り難い」といってはいけない。 　我が情は即ち人の情である。

苦楽は一定していない。 　例えば自分が読書を夜中まですることを人は苦だという。 　しかし、自分はこれを楽しんでいる。 　世俗の好む淫らで俗っぽい歌が聞こえると、自分は耳を塞いで遠ざかる。 　そして知る。 　苦楽に一定はな … Read more 苦楽は一定していない。 　例えば自分が読書を夜中まですることを人は苦だという。 　しかし、自分はこれを楽しんでいる。 　世俗の好む淫らで俗っぽい歌が聞こえると、自分は耳を塞いで遠ざかる。 　そして知る。 　苦楽に一定はない。 　各の苦楽とする所を以て苦楽とするだけである。

人を戒める時の言葉は簡明であることを要する。 　また、核心を突いていないといけない。 　早口はいけない。 　罵り辱めてもいけない。

心は現在に集中することを要する。 　ことがまだ来ないのに対処することは出来ない。 　過ぎたことを追いかけることは出来ない。 　僅かでも追いかけたり待つことは、本心を放し失っていることだ。

言葉を察して顔色を見る。思慮を以て人に下る。 世を渡る方法はこの二句を上回るものはない。

人の過失を責める時には、全部責めてはいけない。 　二三分残して自棄を起こさせないようにする。 　そして、自ら新しく立ち直らせるとよい。

“目で見たものは口でいえる。 　耳で聞いたものも口でいうことが出来る。 　しかし心で悟ったものは口でいうことが出来ない。 　もし、いおうとしても一端だけしかいえない。 　学者は自分の心で相手の心を推測するしかない。”言志 … Read more “目で見たものは口でいえる。 　耳で聞いたものも口でいうことが出来る。 　しかし心で悟ったものは口でいうことが出来ない。 　もし、いおうとしても一端だけしかいえない。 　学者は自分の心で相手の心を推測するしかない。”言志四録

“『平家物語』の思想は、決してそんな浅薄なものではない。 「猛き者」でも遂には滅ぶのだ。「猛からざる者」が滅ぶのはもちろんである。悪行を働く者すら滅ぶのだ。悪行さえ働き得ない弱者が滅ぶのは当然である。”