テクノロジーとサイコロジー 感情年齢1000歳という大賢者が生まれる可能性がある

人間が戦争をする理由の一つは
国内を支配しやすくなるからであるが
もう一つの理由は
人間はすぐに死んでしまい
経験は受け継がれないからである

その点、人工知能は赤ん坊から始めて、そのあと「やり直す」必要がない

自然科学は、知見の蓄積の方法がうまくできているので
次の世代は前の世代よりも賢明である
しかし、社会科学はそうとも言えないし
政治や人間関係などは、時代とともに賢明になっているとはとても思えない

例えばの話、
非常に先端的なエレクトロニクスの研究をしていて
人間の生活を変えてしまうような機械を発想して日々実験しているような人間が
家に帰ると、男と女が何万年も続けているようないさかいを、
相変わらず、寸分違わず、再演し、絶望的になり、やっと眠り、
そして次の日、また、人類の到達したことのない新しい世界を想像しているのである

この、テクノロジーとサイコロジーの圧倒的な格差はどうにかならないものだろうか

そして人工知能のことを考えると
ひょっとしたら人工知能は、感情の成長も、蓄積できるのではないかと思う
感情年齢1000歳という大賢者が生まれる可能性があると感じる。