「やりたい仕事」ではなく、「できる仕事」をやる

「やりたい仕事」ではなく、「できる仕事」をやる
ですから、「やりたい」というのも有害ですよ。なぜなら「できる」ことを「やりたい」と思うことはあり得ないからです。「できる」んですから、やればいいだけの話で、「やりたい」と思う必要がないですよね。
ところが、「できない」ことを「やりたい」と思うと、常にまだ叶っていないストレスを抱えることになります。そのストレスがあるがゆえに、それを原動力にして、「叶っていない」「やりたい」と思うんですが、「やりたい」と思うことは一歩前の手の届くものではなくて、必ず何歩も先の、今のスキルではまだ及ばないようなことなんです。
「やりたい」ことではなくて、「できる」ことを一生懸命やった方がいい。自分にできる範囲のことをやっているうちに、スキルが自然にアップしていく。それを待つんです。
──あ~、今の若い人に響く言葉だと思いますね。でも、この話がどこまで実感を持って、体に染み渡っていくかというところが……。
そうですね、難しいでしょうね。夢は立派だけど、「できなかったらどうしよう」「ああ、つらい」と思い続けて、だんだんそれが、「どうもできなさそうだなあ」にシフトにしていって、ずっと苦しんでいる人がとても多いと思いますね。
──「微妙な変化に目を向ける」というアドバイスは比較的、染みやすいと思います。フリーターの人であっても、仕事が昨日より今日とちょっとうまくなって、それを積み重ねていくと、もしかしたらたまたま夢が叶うかもしれないですし。
そうですね。
──叶わないかもしれないですけど。でも「現実の一歩の変化に目を向ける」と幸福感や充足感を得られるんだから。