教育が成立しなくなる なぜかというと

“これはずっとそうなんですけども、新しいネットメディアが現れて、その敷居がやや高いと、必ずそこには新しい物好きで、知的で、経済的にやや余裕のある人たちが絶対に集まるんですね。さっきのパソコン通信とインターネットの間には、まだそこまではっきりとした法則は現れなかったんですけど、この2ちゃんからミクシィへの移行のときから、はっきりとした法則が現れだした。
(中略)
これ、僕の娘が中学に入ったときに感じたのと同じなんです。今、中学校受験って盛んですよね。小学校のときはみんな公立に行く子が多いんですけど、そこではそこそこ教育って成立するんですね。ところが公立中学校になった途端に、教育が成立しなくなる。なぜかというと、いい5%が全て抜かれるからです。学校っていうのは、成績がいい子どもも悪い子どももいていいんですけど、それらが混在していることで成立する。ところがいい5%だけが抜かれるんです。今やもう、いい5%どころじゃないんですね。いい25%が抜かれるんです。そうすると、ほんっとうに教育が成立しなくなる。結局、公立中学っていうのは、これも言い方は悪いかもしれないんですけど、私立中学に行けない人たちの「吹き溜まり」みたいになっちゃうんです。言い換えれば、一昔前だったら80年代くらいに、 高校にはとりあえず行きたいんだけど、受験には通る力がないみたいな人が行く「問題高校」とか「底辺高校」という風に言われた高校っていうのがあって、公立中学も徐々にそうなりつつある。 
で、2ちゃんねるもそれと近いような状態になってしまったんじゃないかと思うんですよ。言い方は悪いんですけど、でもそれはなぜかっていうと、いい25%が抜かれちゃったからです。相変わらず2ちゃんをじーっとよく観察すると、すごくいい情報もあるし、洞察力とか知性にあふれた発言もあるんです。でもその配分があまりにも少なくなってしまったので、もう2ちゃんに書いても仕方がないとみんな思い始めてる。だから2ちゃんねるは、あまり流行らなくなってきた。 「それでも、なくならないじゃないか」とよく言われるんですけど、そりゃそうですよ、今の公立中学のような状態で、残るんです。ところがいい人たちはミクシィの方に流れてしまう。”