一流ラボ

“ある一流ラボに留学した知りあいがいた。
うつっていきなり非常に面白い現象を発見した。ボスは大興奮し色々なところで宣伝した。
しかし、その知りあいは最後の詰めのデータがどうしても良い結果にならなかった。
まわりに相談すると、間接的に捏造することを勧められたという。そうやって皆ポジションを得るんだよ。と。
でも、本人は捏造などしなくても証明できると信じてコツコツ実験を続けた。
ボスからはプレッシャーが相当かかったけども。
そして、彼は確信した。最初に見つけた面白い現象がアーティファクト、見込み違いであったと。
そこから彼はボスを説得するために、ボスがたてた魅力的なモデルを否定するために、データをためていった。
最終的にボスを説得することができた。
彼は7年在籍した。捏造すれば簡単にでたであろうCNSは1つも出せなかった。
そして、日本に戻っていった。
再びポスドクとして。高齢ポスドクとして。
どうしてこうしたちゃんとした研究者が評価されないのでしょうか?
論文がでてないからでしょうか?でも彼は論文がゼロではありません。Natureはありませんが。
彼は何も言わないけども、僕には残念でならない。
せめて日本で教員としてのポジションがあったらよかったのに。
こういう苦労をしてきた人だからこそ、学生は多くのことを学べる。
捏造したデータでNatureだして悪意がなかったなんて言ってる奴に比べたら本当の意味での研究能力も教育能力も遥かに上だと思いませんか?
僕は悔しいね。心から悔しい。”