農薬

Hさん:う~ん、あとはやっぱり農薬についての誤解が多いかな。まかれた農薬は植物にしみこむと思っている人が多いんですよね。
ど:ああなるほど、自分の周りにもリンゴの皮は農薬がしみこんでいるから絶対食べちゃダメという人がいますね。本当のところはどうなのでしょう?
Hさん:基本的に内部に浸透して残留するような薬剤は危険だから認められて無いと考えて良いですよ。だから、農薬を散布したあと雨が続くとせっかくかけた農薬が流れてしまって、効果がでない*2なんて事があります。なので、農薬散布は晴れが続くときに行うものなんです。かけたら吸収されてとどまるのならそんな苦労はないですけど、安全が優先ですから。
ど:農薬って流れちゃうんですか。
Hさん:そうですよ。それと農薬をかけて病気や虫に喰われないようにするのは、主に葉っぱに対してで、実には基本的に直接はかけないんです。収穫前1ヶ月以降は全く使わないですよ。
ど:へぇぇ、そうなんですか。
Hさん:袋かけはしますけど、袋を外したあとに虫にやられるなんて事はあまりありませんね。基本的にリンゴ果実自体には農薬いらないんですよ。熟したりんごの敵はカラスです。美味しそうなのばかり狙いやがる。
ど:カラスは頭イイですからねぇ。
Hさん:葉っぱにかける農薬も、昆虫がサナギから成虫にならないような薬とか、特定の昆虫にだけ効果があるとか、無差別に殺すような薬でもないんですよね。
ど:農薬をまいて育てた野菜は虫も食べないなんて誤解もありますよね。
Hさん:そうそう、そんな誤解。農薬がかかるとそこから中に入り込んで農薬に汚染した野菜になってしまっているというイメージは強いんですよね。だから虫も食べないと。
ど:植物を育てた事がある人だと理解して貰いやすいのですが、一般の人はそういうものかと思ってしまいますよね。農薬まいて虫食いの被害がない野菜でも、アオムシを乗っけてあげればちゃんと食べますからね。市販の野菜クズで、昆虫飼育ができるので試して貰えれば笑い話にしてもらえると思うんですけど。