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藤丸政務官発言を追及 TPP特別委で原口氏 オスプレイ配備計画
2016年04月21日 09時41分 佐賀新聞
衆院環太平洋連携協定(TPP)特別委員会は20日、佐賀空港への自衛隊新型輸送機オスプレイ配備計画を巡る藤丸敏防衛政務官の失言が議題に取り上げられた。TPP交渉の情報開示を拒む政府の姿勢を念頭に、民進党の原口一博衆院議員(佐賀1区)が「政務官は講演で外交交渉の中身を話しているではないか」と追及した。佐賀県内で波紋を広げた藤丸政務官の失言が、後半国会の最大の焦点のTPP審議にまで飛び火した格好だ。
藤丸氏は3月末の佐賀市での講演で、佐賀空港へのオスプレイ配備の理由を説明した。中国の海洋進出に対して防衛相が米国に対応を求めたところ、「日本は自分たちを助けてくれない」と断られ、それで安保法制とオスプレイを運用する日本版海兵隊を整備することになった、という趣旨の発言をした。
また、北朝鮮の弾道ミサイル発射時の、自衛隊レーダーが捉えた時間や具体的な迎撃態勢も話していた。
原口氏が「米国に助けてもらえなくてオスプレイを買うのか、安保法制は米国に言われたからやるのか、これは事実なのか」とただすと、藤丸氏は「分かりやすく(講演する)ということで自分の推察を話した。国の防衛の任に当たる者として軽率だったと反省している」と陳謝した。
岸田文雄外相は「2国間でのやりとりを明らかにするのは外交では通常、あり得ない。指摘されているようなやり取りは全く承知していない」と強調。若宮健嗣防衛副大臣も「日米間のやりとりと誤解されてもおかしくない内容だが、政務官個人が推察した内容」と答弁し、ともに発言内容を否定した。
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安保法をつくった理由を口走った藤丸防衛政務官
きょう4月21日の東京新聞が、見逃しそうな小さな記事だが、とても重要な事を書いた。藤丸敏という防衛政務官が講演で、
南シナ海で人工島を建設して軍事化を進める中国を「どうにかしてくれ」と米国に要請したが断られた、
という発言を講演でしていたことがきのう4月20日にわかった。
原口一博民進党議員がTPP特別委員会で指摘し、
藤丸政務官はその発言内容を認め謝罪した。
ところが岸田外相は「日米でそのようなやりとりがあったとは全く承知していない」と述べた。
この東京新聞の記事は、多くの点で極めて重要な問題点を含んでいる。
まず藤丸政務官と岸田外相の答弁がまったく異なっていることだ。
もし岸田外相の発言が正しければ、これから書くことは無意味になる。
講演でウソをついた藤丸政務官だけを馬鹿呼ばわりして終わる。
だから、これから書くことは藤丸政務官が講演で語ったことが正しいという前提である。
まず岸田外相が知らなかったという驚きだ。これほどお粗末な話はない。
岸田外相と外務省は徹底追及さるべきだ。
次に、南シナ海の人工島について、直接の当事国でない、
直接の脅威を受けているわけではない日本の防衛政務官が、わざわざ米国に何とかしてくれと頼んだという驚きだ。
周知のように南シナ海の人工島問題は、何よりも米国の関心事項であり、
オバマ大統領と習近平主席が何度も直接に話し合って来た、米中間の最重要問題だ。
それを対米従属の日本がわざわざ米国に何とかしてくれと頼むというのは異常を通り越して滑稽ですらある。
三番目に、米国が断ったというところである。
どのような表現で断ったのか知らないが、断るという事はどういう事なのか。
中国の南シナ海人工島建設に反対しないということなのか、
それとも、軍事的行動を取ってまで止めさせることはしない、ということなのか。
理解不能な米国の返答だ。
そして、極めつけはこのような質問を国会でした原口一博氏の次の発言だ。
すなわち原口氏によると、藤丸氏は講演でこう言ったと言う。
「小野寺五典防衛相(第二次安倍内閣発足当時)が米国に『どうにかしてくれ』と言ったが、
『何かあった時に日本は米国を助けられないじゃないか』と言う理由で断られた。
それで、多少は米国の後方支援をできるようにしないといけない、
というのが安保法だ」と講演で話したという。
これが安保法を強行した理由だとしたらあまりにもお粗末だ。許されることではない。
小野寺五典という防衛相の名前も出てきている。本人に証言させることは不可欠だ。
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